イギリスは移民も多く、キリスト教以外にも、ヒンズー教、イスラム教、ユダヤ教、仏教などさまざまな宗派の人が入り混じって暮らしている国です。欧米の中では火葬率が最も高く7割程度が火葬です。市営の共同墓地には火葬場も併設され、これらを市が管理しています。遺灰は墓地に埋葬されるだけでなく、散骨を選ぶ人も多いのが特徴です。散骨場所は、森、山、丘、河川、海などですが、眺めの良い場所が人気です。自宅の庭や自己所有の森に散骨されることも多いようです。公園にある芝生の広場や花壇にも散骨されます。許可を得れば、ゴルフ場、サッカー場、競馬場などに散骨をすることもできるようです。散骨は日常的に行われ、気持ち悪いという声も上がりません。すでに散骨は日常に浸透しているようです。
イギリスで一族が入る家族墓を持っている家は代々富裕層の家系です。一般的なイギリス人は、個人の墓にひとりで眠ります。軍人は軍人専用の墓に入ります。そして、経済的な事情により、お墓を持つことができない貧困層も存在します。イギリスは、経済格差が日本よりも顕著です。生活保護を受けていたおひとりさまが亡くなるケースもあります。遺灰は合祀墓に納められたり、墓地の敷地内にある慰霊塔広場に撒灰されたりします。
イギリスでは、森への散骨が一番人気ですが、河川への散骨も禁止されていません。ロンドン市内を流れるテムズ川でも散骨できます。流れがあれば国中の好きな川に散骨することができます。そして、散骨に対するクレームや風評被害なども限りなくゼロに近いようです。日本では、河川への散骨は禁止されていますし、クレームや風評被害が発生しがちなので、社会的な散骨に対する認識が大きく異なります。
【葉山の谷戸へ山林散骨】
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