アメリカの散骨
チベットの埋葬方法には、塔葬、火葬、天葬、水葬、土葬、の5つがあります。「塔葬」は五つの埋葬方法の中で最も名誉ある方法です。「塔葬」は「霊塔葬」とも呼ばれ、一部の貴族だけに行われる儀式です。塔葬により遺体は『霊塔』に安置されます。塔葬は、ダライ・ラマ、パンチェン・ラマなどの法王、生き仏だけに対して行われる葬儀方法で、金や銀、宝石などで飾られた豪華絢爛な霊塔の中に遺体は安置されます。塔葬は、とても独特な方法で行われます。・・・
火葬の習慣のない先住民との共存を大切にするオーストラリア。散骨についての国の規定はありませんが、一部の自治体では散骨のためのエリアが整備され、散骨しやすい環境も整っています。人気の観光地「グレートバリアリーフ」は、現地に散骨代行業者があります。クルーザーやボートで沖へ向かい、離島周辺の美しい海に散骨することができます。熱気球から散骨するプランもあり、雄大な自然と美しい海を眺めながら行う「自然に還る散骨」が盛んにおこなわれ・・・
自然豊かな南半球の楽園がニュージーランドです。1869年にイギリス人のジェイムス・クックが発見してから、イギリスから多くの人々が移住し始めた島です。イギリス系のヨーロッパ人と古くからのポリネシア系マオリ族を中心に形成されたこの国は、イギリス文化の影響を大きく受けています。1970年代以降には、さらに、多くの移民が移り住み、現在ではアフリカ、中東、アジア、南太平洋の人たちの多民族国家となっています。この島の原住民であったマオリ族は・・・
フィジーはかつて「人食い諸島」として知られていました。先住民のフィジー人は、現在ほぼ100%がキリスト教徒で、キリスト教式の通常の葬儀の後、すみやかに墓地に遺体が運ばれ土葬されます。後にフィジーに移り住んだインド系フィジー人の約80%はヒンドゥー教徒ですので、葬儀の後、火葬された後に海に散骨されます。海岸近くの火葬場はアウトドアで、丸太で四方を囲み、火がつけられます。現在、日本からフィジーに行って海洋散骨をすることも可能です。・・・
ドイツは基本的にキリスト教が主流ですので、まだまだ土葬が一般的です。それでも、都市人口が増大して墓地が不足し、土葬によって地下水が汚染されたりする問題が浮上し、火葬が徐々に増えています。現在は50%が火葬です。ドイツの葬送はいままで法律や戒律による厳しい規制があり、ほかの欧州諸国に比べて「葬送の自由」はかなり制限されてきました。各州の埋葬法は、ナチス政権下の1934年に定められた埋葬法とその施行令を引継ぎ、遺体は必ず棺に納めて埋葬する・・・
ロシアには、ロシア正教会があります。ローマカトリック、プロテスタントと並び3大キリスト教の1つです。東方正教会とも呼ばれます。全世界で2億人の信者ともいわれる。1054年にカトリックと正教会は共に破門状を叩き付けて分裂し、正教会はギリシャから小アジア、バルカンを経由して東欧を中心に成立。更にロシアを経由して日本に至ります。キリスト教は、土葬が基本ですから、散骨は普及していません。土葬は、スペースを必要としますので、モスクワにある公立墓地・・・
イスラエルは、西アジアに位置する人口約950万人の国で、西側は広く地中海に面し、南端は紅海に続くアカバ湾に面しています。現在に至っても争いが絶えないイスラエル国の人口の8割はユダヤ人で、残りの2割はパレスチナ人(アラブ人)です。ユダヤ教を信仰しているのがユダヤ人で、イスラム教を信仰しているのがパレスチナ人(アラブ人)です。この地で長年にわたって繰り広げられている争いは、宗教戦争と思われがちですが、実際は土地の取り合いです。この地にあるエルサレム・・・
現在の南米の主な宗教は、キリスト教を中心に、イスラム教、ヒンドゥー教が並びます。民俗信仰は徐々に姿を消しています。歴史的な背景から、長い間植民地として統治されてきた南米では、宗教を通しての統治が行われてきました。しかし、民族的な感性は残っているようです。南米には、パブリックイメージのラテン気質のイメージそのままに、陽気な弔いの習慣があります。例えば、メキシコ。葬儀場にはお菓子やパンが用意されたカフェテリアがあり、葬儀・・・
アフリカには1500以上の民族集団があり、それぞれが固有の信仰と儀礼体系を持っています。 アフリカ大陸には、世界宗教の各派が分布していますが、今日のアフリカでは、その多くがキリスト教またはイスラム教の信者です。アフリカの特徴は、これらの世界宗教と土着宗教が混淆していることです。アフリカではしばしば自分たちの伝統的な信仰の実践と世界宗教を組み合わせた形で葬儀を行います。散骨は未だ広まっていないようです。・・・
多民族、多宗教国家のシンガポールでは、冠婚葬祭事情もさまざまです。それぞれの宗教や伝統文化を尊重したものになっています。民族構成は、主に中華系74%、マレー系13%、インド系9%で、宗教別では、仏教・道教43%、キリスト教18%、イスラム教14%、ヒンズー教5%、となっています。多民族国家として、狭い国土をいかに活用し、多文化の中を調整しながら、うまくまとめていくために生じる問題の解決は、シンガポールが抱える最も大きな課題でもあります。・・・
ベトナムは、東南アジアに位置し、北側は中国、西側はラオス・カンボジア、南側は南シナ海に接しています。ベトナムは細長い国土を持ち、北部、中部、南部の3つの地域に分かれています。豊かな自然環境に囲まれ、美しい海岸線や山岳地帯が広がる観光地です。全人口の86%が無宗教、仏教徒は約5%、キリスト教は約7%。さまざまな宗教が融合しベトナムの民族文化を形成しています。葬儀には、独特の風習が多くみられ、独自の葬儀文化があります。仏教における・・・
タイは、「お墓がない国」として有名です。ですから、すべて散骨です。火葬した後に行う散骨は、家族が自ら行うものです。男性は最低一度は出家し仏門に入らなければならない決まりがあるため、故人への弔いもできる限り自分たちで行います。寺はありますが、葬儀社はありません。これは死者を極楽へ送るための儀式であり、儀式の根底にあるのは「できる限りの葬儀をして死者を極楽の一番いいところへ送りたい」という心を大事にします。生前の借り物であった遺骨・・・
インドこそ散骨の原点です。散骨葬の先駆者です。散骨の始まりはインドで、ガンジス川に遺骨を撒いたことに由来しています。そこから、アジアやヨーロッパなど世界中に散骨が広まっていきました。インドでは、「聖なる川」ガンジス川に遺灰を流せば、苦しい輪廻から解放されると考えられており、ガンジス川の川岸には火葬場があり、薪で焼いた死者の遺灰をガンジス川に流すのです。死がせまってくると、ガンジス川の河畔に瀕死の状態で辿り着き「そこで死を迎え・・・
ネパールは、南アジアに位置し、東西南がインドに隣接し、北が中国チベット自治区に隣接している、いわばインドと中国という大国に挟まれた東西に細長い小国です。首都はカトマンズであり、最大の都市も同じくカトマンズです。日本人にとってネパールで思い浮かぶものは、標高8848mの世界最高峰の山であるエベレストでしょう。内陸国なので海がありません。ネパールは多民族国家で、さまざまな宗教が混在しています。そのうち80%はヒンドゥー教で、その他に・・・
中国政府も明らかに散骨を奨励しています。中国政府民政部は、全国法である殯葬管理条例の改正案(葬儀や埋葬などを扱う法律)を発表し、散骨を優遇する方針が改めて明確になりました。中国人民広播電台(中国人民ラジオ)によると、「散骨の場合には政府の補助金により個人負担がゼロになる。一方で、土葬については規制が強化される。」と報道されました。殯葬管理条例の改正案では、火葬と土葬について「人口が稠密、耕地が少ない、交通が便利な地域では火葬・・・
台湾には、無料で散骨自然葬ができる街があります。台北市南部文山区にある富徳公営墓地には、「富徳生命記念園」と名付けられた小高い丘があり、5ヘクタールほどの散骨エリアが広がっています。土地が狭く、人口密度が高い台湾では、伝統的な土葬は土地不足を招き、景観を破壊し、環境衛生の問題を引き起こすと考えられています。持続可能な環境を維持するためにも、山林の寺に大規模な納骨堂を建設することにも懸念を感じています。そこで、散骨樹木葬・・・
韓国は仏教徒よりもキリスト教徒が若干多い国です。韓国は、冠婚葬祭に関して伝統的文化を大切にしてきた国として有名ですが、遺骨を海に散骨して弔う海洋散骨葬が年々増え続けています。韓国ドラマでも散骨シーンがよく登場します。韓国では、海洋葬が海洋環境に悪影響を及ぼさないという見解を示しており、日本のように遺骨を廃棄物と断定していません。土葬を好んだ過去とは違い、葬儀文化が変化する中、韓国においても海洋葬が増えているとの見解を発表・・・
北朝鮮では、土葬と火葬の割合は7対3から8対2だ。未だ土葬が根強いのは、儒教思想が根付いていることが理由のようです。儒教では陰陽の説に従って、人は死後魂と魄(はく)とに分かれ、魂は陽に従って天に昇り、魄は地に降り、陰に従うとされました。このため魂は位牌にまつり、遺体は土に埋めて土葬としました。死者は、死後も生前と同じように生活すると見なされています。この儒教的発想を取り入れて主体思想を完成させ、金日成は朝鮮人を支配する体制を確立・・・
インドで発生した仏教、ヒンドゥー教、ジャイナ教、シク教では火葬が中心です。諸行無常、生者必滅、輪廻を説いたブッダは死後、クシナガラの荼毘塚で火葬されました。ブッダの遺骨は仏舎利としてストーパ(仏塔)に納められ、信仰の対象になりましたが、インド国民の大多数が信奉するヒンドゥー教では、遺体は火の神であるアグニ神へのささげものとして火葬されます。そして、遺灰は聖なる川として信仰されるガンジス川に散骨されます。墓を作る習慣はありません。・・・
中東で発生した宗教のうち代表的な宗教は、一神教であるユダヤ教、キリスト教、イスラム教ですが、これらの宗教では土葬でなければならないという決まりがあります。このうち最も早く発生したユダヤ教では、イスラエル民族を絶対的に拘束する律法(宗教法)に遺体は土葬することが定められています。ユダヤ教の聖書のうち最も権威あるモーセ五書の一つの『創世記』は、主の言葉として「あなたはついに土に帰る。あなたは土から取られたのだから。あなたは塵だから、塵に帰る・・・
【葉山の谷戸へ山林散骨】
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