スウェーデンは日本より少し大きい国土を持ち、東京23区くらいの人口しかいない福祉国家です。宗教色の薄い国で、移民・難民以外で特定の宗教を持っている人が少ない国です。日常生活で神様の話をする人はほとんどいませんし、スピリチュアルな話をする人にも、ほぼいません。大自然に囲まれて生活しているスウェーデン人にとって、自然は当たり前に存在する生活の一部でしかありません。スウェーデンには自然享受権という権利があって、自然はみんなで共有することが法律で定められています。例えば、誰かの私有地であっても、許可なしに入っていってもいいし、ベリーやキノコを採ることも許可されています。「自然は人間の所有物ではない、自然の恩恵にみんなで敬意を示そう」という意識が共通認識としてあるそうです。環境に対する意識がものすごく高く、動物愛護の精神が当たり前にあり、人間と動物の共存、動物への敬意が色々なところで感じられる国です。
スウェーデンは、世界一の散骨先進国です。火葬あるいは埋葬は死後2ヶ月以内に行う事と法律で決められていて、日本のように亡くなってからすぐにお通夜やお葬式をすることは少ないようです。スウェーデンでは、1957年の埋葬法改正により匿名性の共同墓地が認められました。これは「ミンネスルンド」と呼ばれていますが、翻訳すると「追憶の森」という意味になります。「追憶の森」は、1980年代に急速に広がり、すでに500箇所ほどあって現在も増え続けています。「追憶の森」には、モニュメントになる芸術作品、流れている小川、共同の花を置く場所、芝生などがあります。遺灰の散骨(散灰)は、管理事務所職員が秘密裏に行ないますので、埋葬・散灰に、遺族や友人が立ち会うことは認められていません。散骨の実施は、後日、○年○月○日に埋葬したというカードが遺族に届きます。お花やキャンドルは、共同の決められた場所に置き、遺族はそこでお祈りをします。福祉の進んだスウェーデンでは、弔いに関する費用負担は一切ありません。国民の95%がこの葬送を支持しているそうです。国別の幸福度ランキングでは、常に上位をキープしている国です。
【葉山の谷戸へ山林散骨】
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