インドで発生した仏教、ヒンドゥー教、ジャイナ教、シク教では火葬が中心です。諸行無常、生者必滅、輪廻を説いたブッダは死後、クシナガラの荼毘塚で火葬されました。ブッダの遺骨は仏舎利としてストーパ(仏塔)に納められ、信仰の対象になりましたが、インド国民の大多数が信奉するヒンドゥー教では、遺体は火の神であるアグニ神へのささげものとして火葬されます。そして、遺灰は聖なる川として信仰されるガンジス川に散骨されます。墓を作る習慣はありません。
ジャイナ教は、マハーヴィーラ(ヴァルダマーナ、前6世紀-前5世紀)を祖師と仰ぎ、徹底した苦行・禁欲主義をもって知られるインドの宗教です。ジャイナ教においても、火葬と散骨が基本的な弔い方です。ジャイナ教の教義は、生きものを傷つけないこと、 虚偽のことばを口にしないこと、他人のものを取らないこと、性的行為をいっさい行わないこと、何ものも所有しないことが5つの大禁戒とされています。驚くべきは、動物に襲われたときにも自衛のために動物を傷付けてはいけないという決まりがあること。そういったときには死を覚悟するしかないことです。現世の身体は不浄のものであるから肉体に執着してはならないという考えに基づいているようです。
シク教は、日本ではあまり馴染みのない宗教ですが、世界でも指折りの信者数を誇る宗教です。いわゆるターバンを巻いている人たちです。シク教では、死が自然界のプロセスであると考えるため、野外で葬儀を行い、灰を土中に埋めるか、川や海で散骨されます。
【葉山の谷戸へ山林散骨】
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