アメリカや多くのヨーロッパなどでは、現在も主流は土葬です。キリスト教が主たる宗教として信仰されているエリアでは、輪廻転生ではなく、死者が復活すると考えられているため、遺体を焼いてしまうことはタブーとされています。特にカトリック教徒は伝統的な土葬スタイルを好みます。プロテスタントは時流に合わせて新しい感性も理解しようとする宗派であるため、割と火葬に対しても否定する感覚は緩やかですが、それでも、火葬は本来の教義に反するだけでなく、魔女狩りなどの火あぶりの刑を彷彿させる残忍な行為であるという認識があります。ですから、カトリック教徒の多いフランスでは、火葬率は未だに30%程度です。イギリスはプロテスタントが多いため、合理的な考え方をするためか、ヨーロッパでの中では珍しく73%という高い火葬率です。アメリカもプロテスタントが多いのですが、火葬率は40%です。これは、国土の広さの違いによるものと考えられています。土葬の場合はスペースが火葬に比べて必要になるため、国土の狭い諸外国には墓不足問題が付きまとうからです。中国の火葬率は67%。韓国の火葬率は49%です。儒教の考え方では、火葬は身体を焼いて破壊する行為にあたり、魂の還る場所をなくしてしまう行為は儒教の教義に反する行為です。しかし、最近では、儒教の教えが薄らいでいるせいか、合理的な火葬が増えているようです。
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