二酸化炭素を大量に放出する火葬は地球環境を悪化させるものとして、世界では問題視されています。土葬にすれば、環境を悪化させて、土地スペースが不足すると言われ、それでは火葬して対応しましょうとなれば、次は、大気汚染と環境問題が話題になる今日この頃です。すでに、私たちは、人生の最後を迎えるときまで環境問題を考えなくてはならない時代に生きているということです。土葬が中心だったキリスト教諸国においても、火葬が増えています。全世界で「火葬したのちに散骨する」という流れに拍車がかかっています。日本では、亡くなる人は、ほぼ100%が火葬にされています。
ただ、火葬をする場合には、CO2(二酸化炭素)が空気中に排出されます。一度の火葬で、排出されるCO2は約250キロにも及びます。1台当たりの自動車が1か月に排出するCO2の平均は、約150キロと言われています。それよりも多いとは驚きです。亡くなった場合に100%火葬をしなければいけない日本では、かなりの量の二酸化炭素が排出されていることになります。怪我や病気などで体の一部を切断した場合も、中絶によって生まれなかった胎児も火葬されています。
現在の日本において、1年間の死者数はおよそ150万人ですから、火葬によって排出される年間二酸化炭素は、150万人×250キロ=37500トンという計算になります。2021年度の日本の二酸化炭素排出量は、11億2200万トンですから、火葬の割合は、全体から見ればたったの0.003%に過ぎません。それでも、地球環境に対して対策を打っていない国として、不名誉な「化石賞」を2度も獲得してしまった日本は、あらゆる分野での取り組みが世界から求められていることに変わりはありません。
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