自分の土地なら誰に許可を取る必要もありません。自宅の敷地内に散骨することは違法ではありません。庭付き戸建て住宅をお持ちの方は庭に散骨しても構いません。

散骨する際には注意すべき点がいくつかありますので、いくつかの注意点を守って散骨してください。遺骨の埋葬については、「墓地、埋葬等に関する法律」によって規定されています。そこには「遺骨を埋めることができるのは墓地のみ」ということが明記されています。通常の自宅の場合、登記上の地目は「宅地」になっています。地目が「墓地」であるというケースは宗教法人の場合くらいですから、自宅が「墓地」の上に建っていることは現実的にはあり得ません。それ以外の地目には、「田畑」「山林」「雑種地」「原野」などがありますが、いずれの場合も、遺骨を埋葬してはいけない土地であると言えます。埋葬してはいけない土地ですが、撒くだけなら法的に問題はありません。ただし、自宅のある市区町村によっても条例によって、散骨が禁止されている場合もありますから注意が必要です。

法律ではなく人の感情面も考慮する必要があります。散骨した土地は不動産として売却する時に売りにくくなる可能性もあります。散骨したことを口外すると、事故物件のように扱われてしまって、二束三文に値段が叩かれてしまう可能性もあります。親戚や友人が訪ねてきた際に、大きな声で「庭に散骨したんだよ」なんて事を言ってしまい、たまたまそれをご近所さんや近隣の住民に聞かれてしまうと、地域トラブルに発展する可能性もあります。近隣の土地まで売れなくなってしまったら、ただごとでは済まされなくなるかもしれません。まあ、余計なことは口にせず、黙っておいた方が無難でしょう。違法でなければ何をやっていいというものでもありませんし、自宅の庭への散骨は、心情的にもまだまだ微妙なグレーゾーンですから、慎重に判断したうえで、自己責任で行ってください。