「亡くなった人を埋葬するためにお墓を建てること」は仏教の教えではありません。昔から仏教ではお墓を建てることを義務付けることなどしていません。それは今も昔も同じです。多くの人が勘違いをしているのかもしれません。お墓を建てて供養するという文化は、日本に古くからある先祖信仰と仏教が習合した習慣でしかありません。現在のように一般の人がお墓を建てるようになったのは檀家制度が幕府によって進められた江戸時代の中頃にになってからのことです。それ以前は、権力者や上流階級たちが権威の象徴としてこぞってお墓を建てたものでした。日本最大の古墳は仁徳天皇陵古墳ですが、古墳は、日本全国に16万基以上はあるといわれています。世界中を見渡しても、エジプト・ギザのクフ王のピラミッドや中国の秦の始皇帝陵など、権力者はお墓でその力を誇示しました。ですから、お墓は今もなお権力の象徴であるという見方もあります。そう考えると、力を見せつける必要がないと考えるなら、お墓など必要がないという風に考えるのも自然なことなのかもしれません。
【葉山の谷戸へ山林散骨】
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