「ペットロス症候群」とは、ペットの「死」や「突然の別れ」からペットを失うことで生じる精神的・身体的な不調です。「ペットロス症候群」はペットを愛していた方であれば誰にでも起こりえます。時にペットは、人間以上に、純粋な愛を私たちに降り注いでくれた相手ですから、人間以上にショックを受けることがあります。
ドイツの精神科医エリザベス・キューブラー=ロスは、人の死の受容過程は「否認→怒り→交渉→抑うつ→受容」の5段階を経て進行すると説きましたが、ペットも人間も全く変わりがありません。
心がない人には、ペットロスはありません。ペットロスは美しい心の現れです。決して恥じることはありません。泣きたい時には気が済むまで泣いてください。純粋だからゆえに生じた自然な気持ちです。純粋な心があるからこそペットロスはあります。ペットが最後に、私たちに命の尊さを教えてくれたとも言えます。心の強さを学ばせてくれたとも言えます。
時にペットが、何かの禍から飼い主の身代わりになってくれるケースもあるようです。ペットは私たちにたくさんの愛や学びを教えてくれます。人間のようにけがれた心を身にまとうこともなく、最後まで純粋な心を持ったまま一生を終えるペットたちは、現代人の私たちに身をもって何かを伝えてくれているのかもしれません。
ペットを失った悲しみは計り知れないものですが、長期間この苦しみが続くとうつ病に移行してしまう恐れがあります。葬儀、散骨、供養は、残された遺族のために行うという側面もあります。自分の気持ちを整理するために、率先して葬儀、散骨、供養を行うのもいいかもしれません。
あなたは、いくつあてはまりますか?精神科医が判断するチェックリストです。参考にしてみてください。
1、孤独感や喪失感が強い
2、自分のせいで亡くなってしまった…など自分を責め続けている
3、涙が溢れて止まらない
4、食欲がない、または、お腹は空くが食べられない
5、下痢や便秘が続く
6、頭痛や肩こりがひどい
7、幻想・幻聴(亡くなったペットの姿が見えたり声が聞こえたりする)
8、やる気が出ない、情緒不安定
あなたはいくつ当てはまりましたか?精神科でペットロスと認定されると、薬を処方されることがあります。その薬は対症療法として、気持ちを一時的に抑えるための薬です。根本の治療にはならないことを理解したうえで、通院してください。なお、いいカモにされないように注意することも必要です。そして、最も大切なことは、大事なペットが亡くなってからじたばたするよりも、後で後悔することがないように、なるべくペットと一緒にいる時間を作ってあげることでしょう。
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