ペットは、火葬することなく、そのまま庭に埋葬することができます。火葬では、遺族が恐ろしい場面に直面することになります。亡くなった本人は熱くないのかもしれませんが、地獄絵図に焼かれるという場面があるように、焼かれるというのは私たちにとって、恐ろしいことであるに違いありません。土葬なら、変わり果てた姿を目にすることなく送り出せます。多くの書物では、現代人は、「死」を特別なものとして認識し、死を忌み嫌っていると記載されていることが多いようですが、実際は、死を嫌っているのではなく、火葬して変わり果てた姿を目にする体験を遠ざけたいと思っているだけのことです。ですから、土葬は最も遺族の負担の少ない弔い方であると言えます。しかし、現在の日本の状況において、土葬は法的に違法ではありませんが、実際にはなかなか手の届かない弔い方であることも事実です。
ただし、ペットは人間ではないので、法律の制約を受けません。ですから、土葬が可能です。もちろん、自己所有の土地であることが条件ですから、他人の土地や公共の公園、河川敷などに埋葬することはできません。土壌にもよりますが、猫なら5年程度で骨だけになります。10年も経てば骨まで消えてなくなります。
土地付き戸建て住宅なら、ペットも別の場所に埋められるわけではなく、生前の生活拠点と同じ場所で眠ることができますから、きっと彼らの魂にとっても最も安心できる方法だと言えるでしょう。また、土地を売却する予定や引越する予定がある場合には止めておきましょう。自分の土地であれば、誰にも許可を取る必要はありません。自宅以外に山林を所有している方などは、自己所有山林は最もふさわしい場所だと思います。
ペットを土葬で埋葬する場合は次のような手順で行ってください。
1、深い穴を掘る
だいたい1メートルくらいは掘り下げてください。最低でも50センチは掘らないと後で顔を出します。
2、消臭効果のある石灰などを用意する
消臭効果のある石灰を用意して穴に敷きましょう。腐敗臭がたぬきなどの野生動物を引き寄せて、掘り返されて食べられてしまいます。
3、草木灰、おがくず、草花を敷く
気持ちの問題ですが、土をそのままかぶせるよりも、楽な姿勢のまま横たわってもらうことができます。
4、バスタオルや衣類に包む
天然素材のバスタオルや飼い主の臭いのついた衣類に包んであげましょう。包んだままの状態で穴の中にそっと寝かせて上げましょう。不自然な姿勢は嫌がるでしょうから、なるべく日常的な姿勢に調整してあげるとよいでしょう。
5、土をかぶせて山にする
土をかぶせます。他の地面と同じ高さにすると、いずれ凹っとへこんで穴になりますので、山に盛り上げてください。
6、お香を焚く
臭いを出さないために、なるべく、お香を焚いてあげましょう。
|