先祖代々のお墓があっても、お墓が遠かったり管理者が高齢になってしまったりして、お墓参りに行けない家庭も増えてきました。そんな遺族に代わり、お寺や霊園が遺骨の管理や供養を行うのが「永代供養」です。

一般的なお墓は、お墓の後継者がいなくなってしまったタイミングで墓じまいを行う必要があります。一方で、永代供養墓はお寺や霊園が代わりに管理・供養をしてくれるため、お墓の管理者がいなくても墓じまいを行う必要はありません。

永代供養は、遺族や親族がお墓の管理を継承する必要がないので、お墓の後継者がいない方や身寄りのない方でも永代供養を選択できます。お墓の継承を前提としていないため、子供に負担をかけたくない方や、そもそも跡継ぎとなってくれる身寄りがいない方に選ばれています。

永代供養は、新しく墓を建てるより費用を抑えられるのが最大のメリットです。墓石を建てると100万円以上はかかってしまうものです。寺院や霊園に供養・管理を任せられるので、とにかく手間いらずです。

お墓の種類によっては、お供えや線香をあげることができない場合もありますので、事前に確認が必要です。また、多くの永代供養の場合、宗派・宗旨を問われない場合のほうが多いようです。一般的なお寺では、檀家になることが求められます。檀家になると、本堂を建て替えるので、寄付してくれとか、台風で本堂が破損したので寄付をしてくれといった要求が付きまとうことになります。檀家になることを求められない墓地霊園の場合には、そういったしがらみもありません。ちなみに、浄土真宗では、没後、魂はすぐに極楽浄土へたどり着くため、そもそも供養は必要ありません。ですから、「永代供養」と呼ばれるものはありません。

気を付けるポイントは、「永代」は「永久」ではないことです。霊園や寺院によっても、その設定期間は異なりますが、17回忌、33回忌、50回忌などを区切りとしていますから、あくまでも期限付きということです。期限を迎えると他の遺骨と一緒にされて合祀墓に納められます。合祀墓の中に遺骨がいっぱいになると、寺でも霊園でも一般廃棄物としてゴミ処理される場合がほとんどです。

遺骨を供養して永遠にそのまま解き放つ方法は、自然の中に散骨する以外に方法はありません。