●トップページ>チャプター02:現代墓・火葬・散骨の問題点>今後も予想される納骨堂トラブル(0223)
納骨堂は屋内に遺骨を収蔵しておくスペースが設けられた施設です。近年ではお墓に対する考え方が変わってきており、利用者が増えています。交通アクセスがよい場所に建てられている場合が多く、天候を気にせずお参りができるのが長所です。納骨堂は、言ってみれば、「遺骨の賃貸マンション」のようなものです。家を建てなくていいように、墓石を建てる費用がかかりません。ですから、その分費用を抑えられることもメリットです。
ただ、トラブルが多いのも納骨堂の特徴です。納骨堂は経営が悪化して、突然に閉鎖される心配があります。ある日、突然に手紙が届き、「来月末までで閉鎖することになったので、遺骨を引き取りに来てください。期限までに引き取らない場合には、廃棄物として処分します。」という文章を目の当たりにすることになります。別の会社が経営を引き継いでくれれば、消費者は何も問題はありませんが、過去の例から考えますと、高額な永代供養料を支払って数か月が経過したばかりなのに、閉鎖されてしまったというケースまで存在します。
都市型の納骨堂は便利な場所にあることも多いようです。土地代の高い場所にある納骨堂は金額も高いですが、便利さで言ったらピカイチでしょう。しかし、納骨堂の多くは納骨スペースが狭いため、大人数の遺骨を収蔵するのには不向きです。夫婦とその両親くらいの人数であれば一緒に供養できますが、先祖代々の遺骨もまとめて供養したい場合は注意が必要です。
期限についてもまちまちです。納骨堂は収蔵スペースの使用期限が決められている場合が多く、三十三回忌や五十回忌などの契約期間が終了すると、遺骨は合祀墓に移されることになります。合祀の場合、見ず知らずの人の遺骨とごちゃまぜにされてしまいますから、それ以降は故人の遺骨を取り出すことさえできなくなってしまいます。
建物の老朽化が進み、修繕費用が必要になると、納骨堂利用者に費用を負担してもらうこともあります。これは、一般墓を維持してきた寺の檀家が、本堂建て替えのために費用負担を強いられるのとまったく同じことです。
もっと悪質な場合には、最初から途中で投げ出すことを計画したうえで、新たな納骨堂を作って利用者を募るケースです。これは明らかに詐欺行為ですが、「まじめにやるつもりだったがうまくいかなかった」という筋書きであれば、詐欺に値しません。ほぼ100%の確率で一切の返金もされないでしょう。「納骨堂に遺骨を預けるなら、自宅に置いておいた方がよっぽどましだった。単に金をだまし取られたような感じだ。泣くに泣けない!」という納骨堂利用者からの声も実際には多くあるようです。全ての納骨堂が悪質なものではありませんが、納骨堂を選ぶ際は、ぜひ慎重にお選びください。
【葉山の谷戸へ山林散骨】
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